久々の東京。着いた日はもう遅く、初めての本格カプセルホテルにドキドキです。
カプセルホテルは素敵
本格的なカプセルホテルは今回が初めて。
探してみてもカプセルホテルは男性専用が多く、なかなか女性が泊まるのは難しい状況です。
しかし、私が泊まった「秋葉原BAY HOTEL」は女性専用。そして手ぶらで泊まれるとうたってあったのです。
土足、喫煙は禁止、清潔感があり食事は地下にスペースが設けられています。
シャワーブースが多数あり、タオル類も無料で貸し出ししています。そして。POLAのアメニティが充実しています。
館内着はピンクのパジャマで、みんなこれを着ているのでなんとなく仲間という感じがします。
ほんとに手ぶらで来て快適に過ごせるところなのです。
駅からは5分程度。女性の痒いところに手が届いている、そんなカプセルホテルでした。
次もまた利用したいと思います。
2日目はヴィアイン宿泊
カプセルホテルは寝るだけでした。
次の朝、まずすることは次のホテルへ荷物を預けにいくことからです。
次のホテルも同じ秋葉原にある「ヴィアイン秋葉原」です。
こちらはJR西日本系列のホテルです。こちらに決めたのは株主優待があったからでした。
6月いっぱいで使えなくなる優待でしたので、ぎりぎりで使ってみたのです。
ほんとのことろを言えば、カプセルホテルの方が安かったのですが、コロナのころから大阪のヴィアインにはよく泊まっていました。
遠くに旅行ができないので、ほんとに近場のホテルに泊まって非日常を味わっていたのです。
そのころからこのホテルが気に入り、JR西日本の株を買っていたのでした。
(株については・・・なかなか難しい所です)
なかなかヴィアインの優待を使う機会がなかったので、今回思い切って使ってみることにしました。
秋葉原のカプセルホテルからは10分ほど歩きます。そして少し離れたところのヴィアインに到着です。
今夜泊まることを話し、荷物を預かってもらいます。
これで自由にいろいろなところに行くことができるようになりました。
まずは秋葉原で作戦会議
さすが世界に誇るヲタクの町、秋葉原。
ホテルの前にもそういう客層に絞ったガールズバーがあります。
駅前には謎の列、カードゲームやゲームの店が並びます。
なんだかかわいい女の子のイラストが外壁に描かれていたり・・・秋葉原に来たという気持ちになります。
昔はそこそこのヲタクでしたので、ヲタクを卒業してもアニメやゲームには興味を持っていたのですが、さすがにもう追いつけなくなりました。
アニメもゲームも多岐にわたり、魅力的になって、私がヲタクのころとは大きく変わっています。
昔の秋葉原は電気部品を売る小さな店がところ狭しと並んでいたものでした。
あの電気部品はどこへ・・・。
駅前のパン屋さんで朝食をとります。
周りには少しだけコスプレをしたような女の子がいたり、いかにもな恰好の男の人がいたり・・・。
不思議な事ですが、同族はなんとなくわかるんですよね。
もちろん恰好で判別できることもあるのですが、そうではなくたたずまいというか匂いというか。
もう卒業してもヲタクはなんとなく「あっ・・・」とわかるものなのです。
パンとアイスティを食べながら今日の予定を立てます。
とはいっても大した予定はありません。
本当であれば埼玉である「中島みゆき」展にいく予定でしたが、その展覧会はこの後、大阪にも来るという情報を得て今回はとりあえずパスすることに。
さて、そうなるとあとは私の好きな文学館めぐりということになります。
以前の東京旅で夏目漱石と森鴎外の文学館に行ってとってもよかったので、それから各地の文学館めぐりをするようになりました。
今回はどこにしようかな・・・。迷いに迷って「世田谷文学館」と「日本近代文学館」に行くことにしました。
世田谷文学館
世田谷文学館は東京都世田谷区にある、知る人ぞ知る文学館です。
京王線の蘆花公園駅で降りて住宅街をしばらく歩くとこっそりでてくるのが世田谷文学館です。
世田谷にゆかりのある文士の資料を集めているのだとか。
ちょうど私が訪れたときは「伊藤潤二展 誘惑」を開催しているところでした。
伊藤潤二展 誘惑
私はあまりホラーは好きではないのですが、せっかくなのでと見学することにしました。
原画がたくさんあって、大変な盛況ぶり。
私は読んだことはなかったのですが、もちろん作品は知っているものもありましたしその絵も存じていました。
本当に丁寧できれいな漫画で、苦手なホラーであるにもかかわらずつい読みふけってしましました。
そして思ったのが、発想の突飛さとその表現のすばらしさです。
例えば守口大根の漬物を人に見立てる絵があったのですが、それはそれでかなり不気味な雰囲気をだしていました。しかしその発想には本当に驚かされました。
もし、私が瑞々しい若い感性を持っていたのなら、きっとこの絵からいろいろな事を想像して恐怖におののいていたことでしょう。
しかし、もう私の感性もひび割れるほど乾いていたのか、恐怖よりも驚きとそしてつい笑ってしまっていたのです。なるほど、人を渦巻にするってこういうことか・・・みたいな。
私にとってホラーとの向き合い方の新しい発見でした。
巴里土産 小堀杏奴油彩画展
もう一つやっていたのが、森鴎外の次女の杏奴さんの油絵展でした。
温かみのある色合いで、やりとりしていたお手紙や人物の背景などが丁寧に展示してありました。
私は以前、森鴎外の文学館に行ったことがあります。
森鴎外は軍医をしていたり、お偉いさんだったりと堅苦しい文学の一番手というイメージでした。
しかし、その文学館でみたのは家族思いのやさしいお父さん像でした。
きっとこの杏奴さんもかわいがられたんだろうなぁとのびのびした絵を見ながら思いました。
ムットーニのからくり劇場
そのほかに世田谷文学館にはムットーニのからくり劇場というものがあります。
ゆかりの文学の一部をからくり人形が演じてくれるのです。
派手な演出があるわけではないのですが、静かでそれでいて魅力的なその舞台は私を不思議な世界に連れて行ってくれます。
私が訪れたときは「猫」「山月記」「月世界旅行」「蜘蛛の糸」の4つの上映をしていました。
どれも引き込まれる素晴らしいものでした。
カフェでお昼
文学館を訪れる魅力の一つが文学カフェです。
どの文学館も趣向をこらしたカフェがしつらえてあり、つい静かな気持でゆっくりしてしまいます。
世田谷文学館のカフェではランチをいただきました。
おちついた中庭を眺めながらのランチは一人でもとても楽しいものでした。
日本近代文学館
続いて日本近代文学館へ。
駒場公園の中にある趣のある建物です。
今回は「教科書のなかの文学/教室のそとの文学Ⅱ──中島敦「山月記」とその時代」を見るために訪れました。
中島敦はさわりしか読んだことはないのですが、大好きな遠藤周作先生のエッセイで知りました。
山月記はその中でも教科書に載っていたりする代表作です。
もともと漢文学者の家の出で、やはりその素養が発揮されているのがこの山月記でしょう。
「隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃むところ頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかった。」
この漢文を読み下したような冒頭はそのリズムもあって読む人の心をぐっとつかみます。
中島敦はなかなか劇的な人生を送った人物です。早くから小説家を目指すもなかなか評価されず、国語の先生になっています。
しかし体調不良もあって教師を辞めパラオに行ってしまうのです。
パラオ!!私はこの展示会で初めて知ったのですが、いきなりのパラオにちょっと面喰いました。
パラオに行っている間に山月記が評価され、晴れて専業の小説家となります。
しかし持病のぜんそくで33歳にて病没してしまうのです。
この近代文学館の展示をじっくり見ることで大変勉強になりました。
カフェでお茶を
近代文学館にも魅力的なカフェがあります。
壁一面の本棚が特別な空間をつくっている、なんともレトロで魅力的なカフェです。
私は一人なのですぐに通していただき、大きなテーブルに相席状態で座ることになりました。
スコーンと紅茶をいただきます。
向かいにはカップルがいます。
こういう場所をデートに選ぶとゆー、なかなかのハイソというかサブカル好きというか・・・。
漏れ聞こえる話も東京都知事選の話題とか仕事の話とか・・・。
おしゃれなのかこじらせてるのかなんて思いながらぼーーっとお茶を楽しみました。
旧前田侯爵邸
駒場公園にはもう一つ面白いものがあります。
それが旧前田侯爵邸です。
加賀百万石と言われた大大名の前田家の16代当主前田利為公が建てた私邸です。
和館と洋館があります。
昭和の初めのころに建てられたそうですが、そのころで言えば洋館が迎賓館的な役割をするものですが、この建物群は反対でした。
海外の生活が長かった前田利為氏は洋風の生活の方がなじんでいたようで、洋館の方で主に生活をして、和館が迎賓館として使われたようです。
和館も洋館もとても素敵で見ごたえ十分でした。
これが無料とはびっくりです。
もう閉まってしまうぎりぎりまで時間を使って隅から隅まで見ることができました。
二日目の感想は
世田谷文学館と駒場公園。
二日目はこの二か所を回ることになりました。
世田谷は日本でも指折りの高級住宅地。駒場公園の近くには東大があります。
どちらも東京を代表するところです。
駅から目的地まで歩きましたが、大きなお宅がいっぱいありました。
きっと有名な方がお住まいなのかもしれません。
私は田舎育ちなのでそれすらも珍しくきょろきょろしてしまいました。
また、東京に行ったときはほとんどJRですが、今回は京王線に乗りました。
電車自体が大きく変わることはないですが、見慣れない風景が面白く感じました。
下北沢もあれば上北沢もあるんだと変なことに関心したり・・・。
大変有意義な一日を過ごすことができました。